大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26年(オ)139号 判決

わが国法上検察官の不起訴処分に対しては、その監督官に対し抗告をするか若しくは検察審査会に対しその処分の当否の審査を申し立て得るに過ぎないのであつて、民事訴訟乃至行政訴訟を提起することは許さないのであること、従つてかゝる訴は、裁判所の裁判権のない事項を目的とするものとして却下せらるべきものとする判決の正当であつてその判決には違憲違法はこれを認めることができないことは、当裁判所大法廷判決の判示するところである(昭和二五年(オ)第一三一号昭和二七年一二月二四日当裁判所大法廷判決)。それ故原判決には所論のような違憲違法はない。その他原判決には「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」所定の事由もなく、本件には法令の解釈に関する重要な主張を含むものとも認められないので、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決する。

(裁判官 井上登 島保 河村又介 小林俊三 本村善太郎)

上告人本人の上告理由

第一点 下川ルイ事妙善が誣告の事実並に同人に対する被上告人が処分の違法性

昭和二十三年六月十三日朝下川ルイ事妙善が刑罰権の発動を促す為め官(湯前町警察署長瀬田康記)に之を要請した事実は熊本地方裁判所昭和二十四年(ワ)第二号事件の昭和二十四年十一月二十八日下川妙善の訴訟代理人が提出した準備書面により明かである下川ルイ事妙善が同日「鶴末八が只今私の家の一部を毀していますから直ぐ来て下さい」と湯前町警察署長瀬田康記に告訴をなし瀬田康記が上告人を現行犯処分をなし人吉区検察庁(被上告庁)に送庁した事実は甲第一号証(瀬田康記が提出した答弁及反訴状)により明かであり上告人が昭和二十三年六月十三日逮捕せられて同年同月十七日まで勾留せられ同日不起訴処分とせられた事実は本上告附属書類証拠方法検察処分通知書により明確なところである。

下川妙善の告知により当時湯前町警察署長(昭和二十四年六月四日懲戒免職)瀬田康記が直ちに現場に赴き上告人が建造物損壊の行為をやつて居らず自宅内壁際で板壁の工作中であつたことを認めている事実は被上告人が昭和二十四年五月十一日附作成した決裁書により明確である

上告人が昭和二十三年六月十三日朝早くから自宅内で自己権利の板壁の工作をなしていたことは附属書類第一号第十一号証(熊本地方裁判所昭和二十四年(ワ)第一号損害賠償請求事件の証人鶴恵子の証人訊問調書)本件証拠方法附属書類第一により明確なところである。

以上述べた通り下川ルイ事妙善の誣告の諸証拠は揃つていて動かすことができないものである

法律の適用

前記被告訴人下川妙善が誣告の行為は刑法第百七十二条に該当する因つて被上告人が「嫌疑なし」と裁定し不起訴処分にしたのはこれが処分の変更を求める次第です

尚被上告人(当時検察官副検事釜田安一)が本件証拠の通り明確であるのにも拘らず刑事訴訟法第一条の目的に反し下川妙善を嫌疑なしとして適正な刑罰法令の適用をやらなかつたからその後妙善は

(1) 熊本地方裁判所人吉支部昭和二十四年(ワ)第八号家屋明渡請求事件に於て証人として同年五月六日偽証の行為をなして不当判決の原因を作為して上告人の正当なる居住権を脅かし

(2) 同件家屋につき借家居住者である上告人の妻鶴ヒサノ意に反して第三者である妙善(ルイ)が民法第百十三条の無権行為を敢てなし居住権を脅かし

(3) 下川ルイ事妙善は人吉簡易裁判所昭和二十三年(ハ)第十一号境界確定の訴を提起して上告人が昭和二十二年十月八日正当に取得した所有宅地の横領を企図し(本件第二点に関連していて附属書類)四、(土地分筆申告書)七、(証人赤池久の訊問調書)その不法行為の事実は明かである。

(4) 下川妙善は更に昭和二十六年二月二十三日上告人が不在中その建物を拡張して上告人の所有宅地を侵害した

(5) 同年五月三日下川妙善は上告人の妻鶴ヒサノの右手拇指に噛み付き深さ骨膜に達する傷害を与えた後近所の便所の中に逃避していた(診断書省略)

下川ルイ事妙善は右の様な行為を為すのであるがそれは第一点誣告の行為に対し被上告人が適正なる刑罰法令の実現をせないからであると思料する。

第二点 被上告人がなした宅地買受けの事実認定と処分の違法性

熊本県球磨郡湯前町一八六三番地の二の宅地は上告人が昭和二十二年十月八日売買に因り正当に所有権を取得した宅地であることは左記証拠により明確である

左記

一、土地台帳謄本     宅地境界問題に付ては目下(昭和二六年五月)地方

一、土地分筆申告書    有志により真相と現地調査の方法が進められている

一、売渡証        (湯前町事件に関連しその重大性に鑑み)

一、土地登記簿謄本

一、証人赤池久の訊問調書

右以外のものを以て被上告人が裁定書に「従前の土地所有者から各建物に相応する敷地を夫々買受けたものである」との事実認定は上告人の宅地所有権を脅かす不当なる事実認定であるからこれは前記証拠の通り買い受けたものと認定が変更せられこれに基ずいて処分が変更せられなければならない

第三点 被告訴人白石正章が脅迫の事実証拠並に被上告人が同人に対する処分の違法性

昭和二十三年五月白石正章が上告人の住宅を明け渡させる為め脅迫した事実は甲第十一号証(熊本地方裁判所昭和二十四年(ワ)第二号事件証人鶴恵子の訊問調書本上告附属書類第一)により明かにして又被上告人が作成した甲第三号証(決裁)により明かである

法律の適用

被上告人が作成した決裁書によれば被告訴人白石正章がなした弁解(供述)を以て事実を認定した旨記載して居るこれは刑事訴訟法第三百二十二条に反して被告人がその利益となる供述を以て事実を認定したものと言うべく同条に反すると共に刑事訴訟法第三百十七条に反するものである

被告訴人白石正章の行為は刑法第二百二十二条に該当する。

被上告人が同人に対して「罪とならず」と裁定したのはこれが処分の変更を求め以て上告人の安全なる居住権の救済を求める次第です。

日本国憲法の確認及被上告人が違法なる処分について上告人は憲法前文の「われらは全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れて平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と共に憲法の基本的人権保障の各当該条文に基きこれが保障と救済を求める為め憲法第八十一条に基き被上告人が為した処分は憲法及前記各法律に適合せないからこれが処分の変更を求める次第です。 以上

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!